介護施設経営

稼働率向上指南書①ウリ

みなさん、こんにちは。

本日は介護施設経営における重要要素の稼働率について考えていこうと思います。

「稼働率とは」

さて介護施設経営において、重要な要素である、「稼働率」。

兎にも角にも「稼働率」さえ上げとけば正義みたいに思っている介護施設管理者の方もいるかもしれませんが、その陰でどれだけの利用者・職員が涙を流しているか...。

一昔前のように、

施設の収入=稼働率

の計算式で成り立つのであれば、ほぼ営業力のみである程度達成できるのですが、現状は、様々な加算取得をしなければならず、更には現場での負担も考えて入退所コントロールをしなければならず、更に介護老人保健施設であれば、在宅復帰支援の指標の関係で、在宅復帰率、稼働率、重度率等、様々な数字のコントロールが必要で、来る人拒まずで入所させることは、目先の稼働率は上がりますが、先の様々なリスクは非常に高くなってしまいます。

もちろん稼働率を上げること、維持することは、施設の収入を考えた時に非常に大事です。

恐らく多くの施設が稼働率上の損益分岐点を95%あたりで設定していると思います。

介護施設増加による競争激化

ただ昨今の介護施設の増加数は凄まじく、介護施設のベッド数の方が、利用者数より明らかに多く、入所者の奪い合いが起きていることが多々あります。

以前は入れなかった特養にもすんなり入れたり、現状は供給過多の地域が多いのではないでしょうか。

稼働率向上のための取り組み

そんな中で、各介護施設は稼働率を維持・向上させる為、様々な取り組みを行なっていることと思います。

そして今まで目先の利益や数字のみに走っていた介護施設にとっては、非常に厳しい時代になってきたなと感じています。

ひたすら病院などに営業に行く、空床を知らせるFAXを流す等、数打ちゃ当たる戦法でやったとしても、それはどこの施設もやっていることで、全くの差別化に繋がらず、手間の割には成果がないことが多くあります。

例えそれで空床が埋まったとしても、一時的であり、永遠に成果の出にくい営業を繰り返す形になります。

稼働率向上のやり方とは

一時的ではなく、営業をかけなくても、又は営業をかけた際に効果を最大化し、稼働率の維持・向上を果たせるやり方はあるか。

あります。

ではどうやって稼働率を維持・向上させるのか?

あなたの施設のウリはなんですか?

皆さんは、自分の所属する介護施設のウリはなんですか?と聞かれて、すぐに答えることができますか?

できる方の施設は、きっと稼働率の良い施設又はちょっとの営業の工夫で、一気に稼働率が伸びる可能性がある介護施設だと思います。

逆にできない方の施設は、稼働率が悪い可能性が高いかと思われます。

まずはぜひ自分の施設のウリは何かを、徹底的に探してみてください。

それは決してセンセーショナルな、前衛的な取り組みである必要はありません。

無いものを強引に作ろうとする必要も今はありません。

ウリの見つけ方

身近にある物、人、出来事等、普段見慣れている、やり慣れているものの中に、少し見方、言い方を変えるだけで、輝き出すことがあるはずです。

食事・排泄・入浴の3大介助の中での取り組み、例えば食事の面で言えば、少し豪勢な食事を出していたり、その土地の郷土料理を出していたり、食形態が利用者に合わせて細分化されていたり。

排泄であれば、自然排泄を大切にしていたり、おむつゼロを目指していたり。

入浴であれば、なるべくゆっくり湯船に入れるよう配慮していたり、良い匂いの入浴剤を入れていたり。

どんなことであっても、何かしら利用者の為に、頑張っていることがあるはずです。

ウリを知ってもらう表現方法

せっかく頑張っているのだから、それを知ってもらう為に、相手が受け取りやすい表現方法で伝えていければ、それはもう施設のウリとして十分なのです。

例えば、「月に1回行事食があります」という事実に対して、

「月に1回季節の食材を取り入れた普段とは違う少し豪勢な料理を提供いたします。」

と文章を変えるだけで、見栄えが全く違います。

きっとどんな施設にも1つか2つは、そのような事があるかと思います。

自分自身で気づいたこと、他の職員に聞いてみても良いですし、利用者に直接教えてもらうのも良いでしょう。

「うちの施設の良い所ってなんだろう?」と、

ぜひ色んな人に投げかけてみてください。

ウリを見つけることの効果

ウリを見つけることは、施設で今行われていることの棚卸しにもなり、その後の改善にも非常に役立ちます。

何かを改善しようとすると、ついつい悪い所、ダメな所を探してしまうのですが、それはきちんとした事業計画を立てて、実行した上でPDCAサイクルの中でやれば良いことです。

最初の段階から悪い所、ダメな所を探すと、周囲のモチベーションを下げる形になりますので、ぜひ良い所を様々な角度で見つけてもらえればと思います。

それは自分たちの頑張りを認め、次の段階に進む足掛かりになります。

まずは自施設のウリを見つけましょう!

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